台湾の歴史を知ることは日本の歴史を知ること。台湾映画「KANO 1931 海の向こうの甲子園」を観よう!

知っていましたか?
かつて甲子園に、
台湾代表が出場していたことをー。

映画「KANO 1931 海の向こうの甲子園」公式サイト

これまで何度かこちらのブログでも紹介して来た映画「KANO」。
「KANO」日本統治時代の台湾映画
日本統治時代の映画「KANO」一足先に台湾で観てきました。
いよいよ、日本での公開1ヶ月前。「一人でも多くの人に知ってもらいたい!」という気持ちから、再度まとめて、ちょこっと(の、つもりが…結構ガッツリになってしまいました)紹介してみたいと思います。

台湾で歴史的大ヒットとなった「KANO」が日本でも公開!

2015年1月24日、台湾で大ヒットを記録した映画「KANO」が日本の映画館でも公開されます。
内容はこちらのKANOのオフィシャルサイトのストーリーを見てもらえれば解るかと思います。
簡単に紹介すると1931年の日本時代の台湾で、とある日本人が監督をつとめた嘉義農林学校(略してKANO)が甲子園に出場して準優勝する実話を映画化したものです。

私が台湾で「KANO」を観てグッと来た3つのポイント

さて、当然映画を観てグッと来るポイントなんて人それぞれだと思うのですが、私なりのグッと来たポイント3つをネタバレのない程度にまとめてみたいと思います。

【ポイント1】台湾の映画なのに劇中の9割が日本語の台詞

キャストは永瀬正敏、坂井真紀、大沢たかおなど、日本人にはおなじみの顔ぶれ。
中国語の解らない嫁さんを連れて映画館に行きましたが9割が日本語ですんなり観る事ができました。
それもそのはず、1931年、日本時代の台湾では、国語も当然日本語だったわけで、台湾の人々も日本語を使う様に強制されていたのだと思います。劇中に出て来る台湾人の中には日本語が当然上手くない人も居ますが、当時の人たちも同じ感じだったのだろうと、観ていて思いましたし、よりリアルに感じました。

【ポイント2】日本人にとっても古き良き日本の景色

劇中では自然がたくさんで、まだ開拓されていない時代の台湾を再現しています。また、街並みは、当然古い日本時代の街並みを再現しているもので、私より、日本人でも年配の方が観ると、とても懐かしい風景なのではないかと思います。
また、台湾の土地を日本人がインフラ整備していく場面もあります。これも面白い話しなのですが、台湾には台湾人は知っていて、日本人は知らない、日本人の有名人が何人か居ます。この「KANO」の中では大沢たかお演じる「八田與一」という人物がでてきます。
八田與一(ウィキペディア)
この八田與一という人物が台湾で上下水道の整備を行う場面も絡めてでてきて、「こんな日本人が居たのか」と思いました。

【ポイント3】主題歌が日本語と中国語の両方で歌われている


主題歌には中孝介とRakeが台湾の歌手の方々と一緒に主題歌「勇者的浪漫」を歌っています。
台湾の歌手の方々が日本語で歌ってくれているのにも感動しましたし、中孝介とRakeが中国語で歌っているのにも感動しました。
「ここまで日本に関連する事を描いてくれている映画なのに、あ、これ台湾映画だったわ」と再認識させられて、また感動しちゃいます。
不思議な感覚です。

 

台湾のアカデミー賞とも言われる映画賞「第51回金馬奨」では色々とあったらしい…

さて、先日、毎日新聞でこんな記事がありました。
台湾映画賞:「KANO」無冠に 「中国に配慮か」(毎日新聞)

台湾のアカデミー賞とも言われる映画賞「第51回金馬奨」が22日、台北市で発表された。日本統治時代を描いた台湾映画「KANO」は作品賞など6部門でノミネートされていたが無冠に終わった。前日には、観客投票で1位となり、観客賞と国際批評家連盟賞に輝いていただけに、ネット上では「中国に配慮したのでは」などと疑問視する声が上がった。

ん〜、これだけ注目され、期待もされていただけに残念です。が、政治的な事も絡んで来る(実際の所どうなのかはわからないですが)すごい映画なのだ!とポジティブにとらえましょう。
(ちなみに「観客賞」「国際映画批評家連盟賞」は受賞)

「第51回金馬奨」の様子をリポートしてる関西のローカル番組「ちちんぷいぷい」の映像をどなたかがアップしてくださっています。

 

まとめ

私がこの映画「KANO」を観て思ったのは「台湾の人に対して失礼のないようにしなくては!」という事でした。映画のなかで描かれている日本人は、現代の日本人とは違うかもしれません。しかし、これだけ日本に対して少なからず好意的である台湾に対して、私たちはもっと理解を深めるべきなのではないかと思います。

専門学校で教員の仕事をしているのですが、教え子である学生達の世代に是非観てもらいたいなと思っています。
青春ものであり、歴史ものであり、実話であるこの物語は、きっと我々日本人の若者も熱狂させてくれると信じています。

何より、日本の教育下では「台湾は中国の一部」という認識しかない場合が多いのが現状かと思います。(私も勉強してなかっただけかもしれないですが、ほんの4年前までそうでした)キッカケは人それぞれかもしれないですが、様々な国に対して理解を深めるためには「まず興味をもつこと」が重要なのではないかと思います。

私が、東日本大震災の際の多額の義援金から台湾に興味をもったように、この映画KANOが日本人の若者に、台湾に対して興味をもつキッカケになれば良いなと考えています。
一部の人だけでなく、より多くの人が、より深い理解を示す事ができれば、台湾がただの「日本人に人気の海外旅行の国」から、将来もっと近い存在になり、より良い日台関係を築く事ができるのではないかと思います。(台湾の若者は日本人の若者以上に歴史や政治への関心が高いと感じます)

とはいえ、何度台湾を訪れても、色々と本を読んでも、まだまだ解らない事や知らない事だらけな私。日台関係と言っても、日本に対して好意的な人ばかりかと言えばそうでもないですし、そんな単純なものではないですよね。今後も勉強を続けて行きたいと思います。

前売り券も販売中!

さて、映画館によっては前売り券も購入する事ができます!
さっそく私も購入して来ました!購入特典としてオリジナルリストバンドももらう事ができました。
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また、阪神甲子園球場ではKANOとのコラボグッズも販売しています。
阪神甲子園球場 オフィシャルサイト

その他リンク
KANO facebookページ

【産經新聞「コンピョウさんの猛ノック」】
(上)弱小チーム、一から出発 甲子園に台風旋風
(中)異色軍団 黄金時代「球は霊なり」で全国準優勝
(下)厳しさと懐の深さ「技術」教え「人」を育て

【ロケットニュース24】
知っておくと映画がもっと楽しくなるかも! 日本と台湾で大感動を巻き起こした甲子園映画『KANO』の秘密5選

劇場公開まであと1ヶ月。日本でこの映画がどれだけ注目されるのかが、とても楽しみですし、精一杯応援したいと思います。




ABOUTこの記事をかいた人

神戸・塩屋出身 / 明石でフリーランスグラフィックデザイナー1年生。デザイン事務所→広告代理店→専門学校教員→現在。 中国語を勉強中。 C-POPは五月天・滅火器・蘇打綠推し。